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株式会社MonotaRO(3064)

決算期: 12月 / 会計基準: 日本基準 / 分析日: 2026-10-17 / データ基準日: 2026-10-13

この記事の要点

テーマ「長期的に利益を積み上げる高ROIC企業」の中心企業です。

本記事の財務数値は、特記がない限り日本基準・連結・百万円単位(百万円未満切捨て)です。決算期は12月で、「FY2025」は2025年12月期を指します。一部の事業別数値と月次売上は会社の 単体 ベースで、その場合は都度明記します。文中では 実績(開示された数値)、会社予想(会社が公表した計画・見通し)、独自推計(当メディアが開示数値から計算したもの)を区別して書いています。

要点の詳細

事業概要・ビジネスモデル

MonotaROは、事業者向けの工場・工事用、自動車整備用などの間接資材を、インターネットなどを通じて販売しています(決算概要「事業概要と特徴」)。企業理念は「資材調達ネットワークを変革する」です。米国の産業用資材大手W.W. Graingerが、子会社を通じて議決権の50.34%を間接保有する親会社です(2025年12月期 有価証券報告書)。

会社は事業を顧客の規模別に2つに分けて管理しています(単体ベース。連結では「工場用間接資材販売事業」の単一セグメントで、セグメント情報は開示されていません)。

事業主な顧客チャネルFY2025 単体売上高前年比
MonotaRO.com事業個人事業主(Micro)、売上20億円未満の法人(Small)などECサイト monotaro.com216,504(単体売上高からエンタープライズ事業を引いた独自計算。ロイヤリティを含む)+13.9%(独自計算)
エンタープライズ事業売上300億円未満の法人(Mid)、300億円以上の法人(Large)購買管理システムとつなぐ「PunchOut」、購買管理システム未導入企業向けの「ONE SOURCE Lite」106,310+23.5%

収益の仕組みは、「多品種・少量・高頻度」の間接資材の購買を、品揃え・検索性・即納で効率化し、その手間賃を粗利として得ることです。FY2025の単体売上総利益率は30.1%、販管費率は15.4%でした(実績)。会社資料は、顧客にとって「価格よりも利便性が重要」な商材だと説明しています。

単体のFY2025売上高に占める顧客業種は、MonotaRO.com事業では製造業32.4%、建設業・工事業18.8%、自動車関連10.2%、エンタープライズ事業では製造業が53%でした(会社資料)。受注はほぼすべてWeb経由です。

海外には韓国(NAVIMRO)、インドネシア、インドの子会社があります。FY2025の売上は韓国92.2億円、インドネシア14.0億円、インド6.0億円で、韓国以外は営業赤字でした(会社資料)。連結売上高に占める比率は小さく、連結業績の大半は単体で決まります。このほか、Graingerの米国事業「Zoro US」からロイヤリティ収入を受け取っています。

売上・利益・CFの構造

売上高の推移(連結)単位: 百万円

実績・会社予想・会社目標を含みます(薄色・点線は実績以外)

注: 決算期は12月。FY2025=2025年12月期。日本基準・連結・百万円未満切捨て。FY2026は2026年2月3日公表の会社予想で、2026年8月4日時点で修正なし。

出典: 2021年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2022年12月期は前期欄) (2026-10-17参照) / 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2024年12月期は前期欄、2026年12月期予想を含む) (2026-10-17参照) / 2026年12月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(通期予想の修正なしを確認) (2026-10-17参照)

売上高はFY2021の189,731百万円から、FY2025の333,880百万円に増えました(実績)。伸び率はFY2022の+19.1%からFY2023に+12.5%まで鈍りましたが、FY2024に+13.3%、FY2025に+15.9%と再び高まりました。FY2025は、10月中旬〜12月に外部要因からオフィス関連商品の需要が急増したことが上乗せになっています。会社は、この需要増の影響の内訳をMonotaRO.com事業約80%、エンタープライズ事業約20%、また新規顧客約20%、既存顧客約80%と説明しています(決算概要)。

営業利益と営業利益率(連結)単位: 百万円(利益率は%)

実績・会社予想・会社目標を含みます(薄色・点線は実績以外)

注: 営業利益率=営業利益÷売上高(小数第2位を四捨五入)。FY2021〜FY2025は決算短信記載の売上高営業利益率(12.7/11.6/12.3/12.9/13.8%)と一致。FY2026は会社予想(売上高381,379百万円、営業利益53,069百万円)から算出し、決算概要の計画売上比13.9%と一致。

出典: 2021年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 2025年12月期 決算概要(2026年12月期 連結計画) (2026-10-17参照)

営業利益率はFY2022に11.6%まで下がった後、FY2023に12.3%、FY2024に12.9%、FY2025に13.8%と3期続けて上昇しました(実績)。単体で見ると、FY2025の改善(+0.7ポイント)は、売上総利益率の上昇(+0.3ポイント)と販管費率の低下(−0.4ポイント)の両方によるものです。販管費率の低下は、出荷1箱あたり売上の増加による人件費・業務委託費率の低下、物流営繕費の減少、ソフトウェア関連費用の資産振替などによると会社は説明しています(決算概要)。物流関連コストの単体売上比は、FY2024の6.7%からFY2025に6.2%へ下がりました。

FY2026の会社予想は営業利益率13.9%で、ほぼ横ばいです。単体では、売上総利益率が0.3ポイント下がり、販管費率も0.3ポイント下がる計画です。Zoro USからのロイヤリティを変動額から固定額(過去5年の平均水準)に変更したため、ロイヤリティ収入は前年より減る見込みです(会社予想)。

営業キャッシュ・フローと簡易フリーキャッシュ・フロー(連結)単位: 百万円

実績・シナリオを含みます(薄色・点線は実績以外)。「推計」の注記は開示値そのものではなく当サイトの推計・計算による値です

注: 簡易FCFは当メディアの独自計算で、営業CF+投資CF(定期預金の預入・払戻など設備投資以外の項目を含む)。FY2025の投資CFには有形固定資産の取得11,938百万円(主に水戸物流センター建設)が含まれる。

出典: 2021年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2022年12月期は前期欄) (2026-10-17参照) / 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2024年12月期は前期欄) (2026-10-17参照)

営業キャッシュ・フローはFY2023以降、約287億〜337億円の水準です(実績)。投資キャッシュ・フローは、FY2021〜FY2022に年約125億〜143億円の支出が続いた後、FY2024は約36億円の支出にとどまりました。FY2025は、水戸物流センターの建設(建設仮勘定がFY2024末の1,391百万円からFY2025末に19,872百万円へ増加)とシステム開発で171億円の支出に戻りました。

営業CF+投資CFで見た簡易FCF(独自計算)は、FY2024の25,080百万円からFY2025に16,633百万円へ減りました。FY2025に長期借入金13,000百万円を調達し、配当(12,424百万円)と投資を賄っています。

ROIC・資本効率

ROE(会社開示)とROIC(独自推計)単位: %

実績・シナリオを含みます(薄色・点線は実績以外)。「推計」の注記は開示値そのものではなく当サイトの推計・計算による値です

注: ROEは決算短信の開示値。ROICは当メディアの独自推計で、税引後営業利益=営業利益×(1−決算概要の法人税等税率:FY2024 30.8%、FY2025 30.5%)、投下資本=期末自己資本+有利子負債(短期借入金・1年内返済予定の長期借入金・長期借入金・リース債務)。FY2025:46,192×0.695≒32,103÷(122,504+13,990)=23.5%。FY2024:37,066×0.692≒25,650÷(103,673+1,336)=24.4%。FY2023以前は有利子負債の内訳を一次資料で確認していないため算出していない。分母に現預金(FY2025末47,293百万円)を含むため、事業に投じた資本に対する収益性よりも低く出る。

出典: 2021年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(自己資本当期純利益率) (2026-10-17参照) / 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(自己資本当期純利益率) (2026-10-17参照) / 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(自己資本当期純利益率、連結貸借対照表) (2026-10-17参照) / 2025年12月期 決算概要(法人税等税率) (2026-10-17参照)

ROE(自己資本当期純利益率)は、FY2021に33.1%、FY2022〜FY2025に27.5〜28.7%で推移しました(決算短信の開示値)。会社はROE30%以上を目指す方針を掲げています(決算短信「利益配分に関する基本方針」)。

会社はROICを開示していないため、当メディアで推計しました(独自推計)。税引後営業利益(営業利益×(1−法人税等税率))を、期末の自己資本と有利子負債の合計で割った値は、FY2024が24.4%、FY2025が23.5%です。FY2025の内訳は次のとおりです。

この推計の分母には現預金47,293百万円(FY2025末)が含まれます。物流センターや在庫といった事業に投じた資本に絞ると、収益性はさらに高く出ます。一方、FY2025末の有形固定資産のうち19,872百万円は、まだ稼働していない水戸物流センターの建設仮勘定です。稼働前の資産が分母に積み上がっていることが、FY2025のROIC低下の一因と考えられます(独自の解釈)。

資本効率の源泉は、粗利率約30%の商材を高い回転率で売ることと、買掛金で在庫の大半を賄う運転資本構造にあります。FY2025末の商品・未着商品・貯蔵品は計22,436百万円、買掛金は25,018百万円でした(実績)。

競争優位と競争環境

会社が主な競合として挙げるのは、訪問工具商、金物屋、自動車部品商、インターネット通販サイトなどです(決算概要)。競争優位の源泉として、会社は「品揃え・マーケティング/セールス・サプライチェーン・オペレーション・ソフトウェア・データ/アルゴリズム」の6つを挙げています。当メディアは、これらを次の3点に整理します。

  1. 品揃えとプライベートブランド(PB):取扱約2,866万点に加え、PB商品の売上高比率は2024年・2025年の約17%から、2026年1〜6月に18%超へ上がりました(会社資料)。2026年上期には、中東情勢を受けて供給が不安定になった石油由来商品(手袋・ポリ袋・ストレッチフィルムなど)をPBで供給し、商社やホームセンターから調達していた顧客の獲得にもつながったと会社は説明しています。
  2. 自社物流:笠間・猪名川・茨城中央などの物流拠点で在庫約73万点を持ち、平日17時までの注文の当日出荷を42都府県に広げました(FY2025、決算短信)。在庫を自社で持つことは、品揃えと納期の両立を難しくするため、後発の参入障壁になると考えます(独自の解釈)。
  3. 顧客データの蓄積:登録口座数は2026年6月末で1,185.3万口座です(実績)。会社は、期待生涯顧客価値(LTV)に基づいて広告・チラシ・カタログなどの販促を配分していると説明しています。

競争環境の変化として、会社自身が「事業等のリスク」で、ネット通販や価格比較サイトとの価格競争、新しい価格決定技術を持つ競合の出現を挙げています(有価証券報告書)。会社推定シェアが3〜4%にとどまることは、成長余地の大きさを示す一方、市場の大半を依然として既存の流通が占めていることも意味します。

成長ドライバーと市場規模

会社が示す国内市場の構造と、自社の推定シェアは次のとおりです(2026年12月期第2四半期 決算概要。会社推定)。

顧客セグメント市場規模(会社推定)当社推定シェア(2025年)単体売上構成比(2025年)単体売上成長率(2025年)
Micro(個人事業主など)——9%7%
Small(売上20億円未満)約1.5〜2.5兆円3.3〜5.5%39%15%
Mid(売上300億円未満)約1.5〜2.5兆円2.8〜4.8%22%16%
Large(売上300億円以上)約5〜6兆円1.6〜1.9%30%24%
合計約8〜10兆円3.2〜4.0%—16.9%

成長ドライバーは2つあります。

1つ目は、エンタープライズ事業によるLarge市場の開拓です。

エンタープライズ事業の売上高と単体売上に占める比率(単体)単位: 百万円(構成比は%)

実績・会社予想・会社目標を含みます(薄色・点線は実績以外)

注: 株式会社MonotaRO単体の管理区分による数値(連結の報告セグメントではない。連結は単一セグメント)。単体売上高はFY2024 276,100百万円、FY2025 322,814百万円、FY2026計画368,849百万円。構成比は決算概要記載値で、単体売上高からの計算値(31.2/32.9/34.7%)と一致。

出典: 2025年12月期 決算概要(単体 損益計算書サマリー・単体計画) (2026-10-17参照)

エンタープライズ事業の単体売上高は、FY2024の86,083百万円からFY2025に106,310百万円(+23.5%)に伸び、FY2026は127,985百万円(+20.4%)の計画です(実績・会社予想)。2026年上期は64,131百万円で前年同期比+24.0%、計画比+0.3%でした。接続企業数は2026年6月末でMidが約3,800社、Largeが約1,950社です。

会社は、Large市場の接続済み企業が持つ大規模拠点(約1万拠点)のうち、約50%は未利用、約42%は低浸透の状態だと開示しています(会社資料)。すでに接続した企業の中で、利用する拠点と部署を広げる余地が大きいということです。ただし、FY2025のエンタープライズ事業は計画比−1.3%で着地しました。2024年から本格的に始めた営業で獲得した大企業について、拠点への浸透スピードが想定を下回ったことが理由とされています。

2つ目は、MonotaRO.com事業での新規顧客獲得と、既存顧客の購入カテゴリー拡大です。 2026年上期は、トップページの刷新、AIエージェントのβ版公開(4月)、カタログの発刊などを進めました。会社によると、MonotaRO.com事業の売上高の約5割は既存顧客のリピート購買です。

2026年の足元

月次売上高(単体・速報値)2026年と2025年の比較単位: 百万円

注: 株式会社MonotaRO単体の速報値(修正の可能性あり)。四半期末月(3・6・9月)の売上には海外からのロイヤリティ収入を含む。営業日数は3月(21日、前年20日)、5月(18日、前年20日)、6月(22日、前年21日)、9月(19日、前年20日)で前年と異なる。1〜9月累計は2026年277,969百万円、2025年233,273百万円で前年比+19.2%(独自計算)。

出典: 2026年12月期9月度月次業績に関するお知らせ(2026年10月13日) (2026-10-17参照)

単体の月次売上は、1〜9月累計で277,969百万円、前年同期比+19.2%でした(月次速報値からの独自計算)。7〜9月の3か月では+15.9%で、上期の+20.8%(単体実績)よりは伸びが落ち着いています。

単体の通期計画368,849百万円を達成するのに必要な10〜12月の売上高は90,880百万円で、前年同期(89,537百万円)比+1.5%にあたります(独自計算)。ただし、前年の10〜12月にはオフィス関連商品の一時需要が含まれています。2026年下期については、石油由来商品の前倒し購入の反動を想定していると会社は説明しています。連結の通期予想は、上期決算時点(2026年8月4日)で据え置かれました。第3四半期決算は、本稿執筆時点で未発表です。

経営者・資本政策

代表執行役社長は田村咲耶氏です(決算短信)。会社は指名委員会等設置会社で、執行役が業務を執行します。

資本政策の方針は、2025年1月に公表した「キャピタルアロケーションの考え方」で次のように示されています(会社資料)。

この方針に沿って、1株当たり配当はFY2024の19.0円からFY2025に33.0円(配当性向50.6%)へ引き上げられ、FY2026は37.0円の予想です。2026年2月には上限100億円の自己株式取得を決議し、2026年上期に9,999百万円分を取得しました(実績)。自己株式の消却により、発行済株式総数は2025年末の501,361,000株から2026年6月末に496,155,600株へ減っています(決算短信)。

注目点は、水戸物流センターへの投資と株主還元の両立です。投資額は504億円で、2028年5月の稼働を予定しています。土地・建物・マテハン(物流機器)は自社保有です(会社資料)。会社は、この投資を自己資金と借入金で賄う計画です(有価証券報告書)。FY2025末の有利子負債は13,990百万円で、2026年6月末には長期借入金が20,500百万円に増えました。財務体質は依然として健全ですが(自己資本比率63.2%、2026年6月末)、過去の「実質無借金」からは変化しています。

将来シナリオ(条件付き)

以下は、当メディアによる条件付きの見取り図です。将来を予測するものではありません。

シナリオ前提条件想定される姿
上振れ2026年に流入した顧客が定着し、エンタープライズ事業でLarge企業の未利用拠点への浸透が加速した場合会社が掲げる「15%超の売上成長」と「売上を上回る利益成長」が、一時需要を除いても続く。水戸物流センター稼働後も、物流コストの売上比が下がり続ける
基本一時需要の反動が出る一方、新規顧客の獲得とエンタープライズ事業が計画並みに進んだ場合売上成長率は10%台前半〜半ばに戻り、営業利益率は13〜14%台で推移する。2028年の水戸物流センター稼働に伴う減価償却費の増加を、売上成長で吸収できるかが焦点になる
下振れ一時需要の反動が大きく、エンタープライズ事業の浸透も遅れ、さらに価格競争が激しくなった場合売上成長率が一桁に鈍る。水戸物流センターの固定費が先行し、営業利益率とROICが低下する

現在の市場評価との比較

2026年10月16日の終値は2,392円でした(Yahoo!ファイナンス)。この株価をもとにした指標は次のとおりです(独自計算)。

指標値計算の前提
時価総額(自己株式を除く)約1兆1,763億円2026年6月末の発行済株式数496,155,600株から自己株式4,383,066株を引いた株数
PER(会社予想ベース)約32.9倍FY2026の会社予想EPS 72.81円
PER(実績ベース)約36.6倍FY2025の実績EPS 65.27円
PBR約9.7倍2026年6月末の自己資本120,780百万円から算出した1株当たり自己資本 約245.6円
配当利回り(会社予想)約1.5%FY2026の予想配当37.0円

PER約33倍は、利益の益回りに直すと約3.0%です。市場は、MonotaROが今後も長期にわたって二桁の利益成長を続けることを、かなりの程度織り込んでいると読めます(独自の解釈)。2026年の株価は、年初来高値2,526円(1月5日)、年初来安値1,684円(3月30日)の間で大きく動いています(Yahoo!ファイナンス)。現在の評価が続くかどうかは、一時需要を除いた成長率と、水戸物流センター稼働後の利益率に左右されやすいと考えます。

主要リスクと反証条件

リスク内容反証・警戒シグナル
一時需要の反動2025年第4四半期のオフィス関連需要と、2026年の石油由来商品の前倒し購入が剥落する2027年に単体の月次売上の前年比が一桁台に低下する
エンタープライズ事業の浸透遅れ大企業の拠点・部署への浸透が想定より遅い(FY2025は計画比−1.3%)エンタープライズ事業の前年比伸び率が15%を下回る
物流投資水戸物流センター(504億円、2028年5月稼働予定)の償却負担と立ち上げ。会社は物流業務の7割超が3拠点に集中していることもリスクに挙げている稼働後に物流関連コストの単体売上比が上昇に転じる。営業利益率が13%を下回る
価格競争総合通販や価格比較サイトとの競争(有価証券報告書の事業等のリスク)単体売上総利益率が29%を下回る
親会社との関係Graingerが議決権の50.34%を保有。親会社の戦略変更や、Zoro USとのロイヤリティ契約の条件変更の影響を受ける親会社による資本政策・取引条件の変更の開示
調達・為替輸入品(FY2025の仕入の6.2%)の円安・供給制約の影響PB比率の低下や、売上総利益率の低下

当メディアの中心仮説は「高い資本効率を保ったまま、売上の伸びを上回る利益成長が続く」です。この仮説の反証条件を、一時需要が剥落した後の2027年に連結売上成長率が10%を下回り、同時に営業利益率が前期を下回ることと定義します。

出典