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株式会社RS Technologies(3445)

決算期: 12月 / 会計基準: 日本基準 / 分析日: 2026-10-17 / データ基準日: 2026-10-09

この記事の要点

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この記事の財務数値は、特に断りがない限り連結・日本基準です。決算期は12月で、「FY2025」は2025年12月期(2025年1〜12月)を指します。金額は決算短信の百万円表示(百万円未満切り捨て)に従います。文中では 実績(開示された過去の数値)、会社予想・会社計画(会社が公表した見通し)、独自計算・独自推計(本記事が開示数値から計算した値)を区別して書きます。分析日(2026年10月17日)時点の最新の実績は2026年12月期の上期(2026年1〜6月)で、最新の開示は2026年10月9日の子会社解散のお知らせです。

要点の詳細

事業概要・ビジネスモデル

RS Technologiesは2010年12月に設立され、2015年3月に東証マザーズに上場しました。現在は東証プライム市場に上場しています。設立時から、ウェーハ再生を主たる事業としています。2018年1月には、中国の国有研究機関である有研科技集団(GRINM)系のプライムウェーハメーカー、有研半導体材料(現・有研半導体硅材料股份公司、GRITEK)を連結子会社にしました。これにより、再生とプライム(新品)の両方を手がけるウェーハメーカーになりました(決算説明資料の沿革)。

セグメントは3つです(FY2025、外部顧客への売上高、実績)。

セグメント売上高構成比(独自計算)セグメント利益主な事業
ウェーハ再生事業27,528百万円35.9%10,167百万円使用済みテストウェーハの再生加工・販売
プライムシリコンウェーハ製造販売事業18,778百万円24.5%4,159百万円中国での5・6・8インチのプライムウェーハ、シリコン部材の製造販売
半導体関連装置・部材等30,244百万円39.4%1,624百万円中古装置・消耗材の販売、光学ピックアップ、VRFB用電解液など
セグメント別売上高(外部顧客への売上高)単位: 百万円

注: 外部顧客への売上高(セグメント間の内部売上を含まない)。FY2022・FY2023は千円単位の開示値の百万円未満を切り捨てた。「その他」(ソーラー事業・技術コンサルティング、FY2025は155百万円)は表示していない。そのため3系列の合計は連結売上高と一致しない。

出典: 株式会社RS Technologies 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) セグメント情報(2024年2月13日) (2026-10-17参照) / 株式会社RS Technologies 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) セグメント情報(2026年2月13日) (2026-10-17参照)

ウェーハ再生とは: 半導体工場では、製品にならない「モニターウェーハ」(工程や加工精度の評価用)と「ダミーウェーハ」(装置の安定稼働用)を大量に使います。同社はこれらを預かり、膜をはがして研磨・洗浄し、同じ工場に戻します(決算説明資料)。売上は2種類あります。1つは預かったウェーハを再生して戻す「再生加工賃」(FY2025は18,105百万円)です。もう1つは、規格外になったウェーハを買い取って磨き上げ、新品のテストウェーハとして売る「販売ウェーハ」(同9,423百万円)です。比率は7対3程度で推移しています(決算短信のセグメント情報、決算説明資料)。

再生加工は顧客の資産を加工するビジネスです。そのため、売上は顧客工場の稼働や新しい工場の立ち上げに連動します。会社は、不況期には顧客がコスト削減のために再生ウェーハを使う量を増やすため、「シリコンサイクルの影響を受けにくい」と説明しています(会社の見解)。実際、FY2022〜FY2025の4期とも、再生事業の売上高と利益は増えました(実績)。

12インチの再生拠点は、三本木工場(宮城県)、台南工場(台湾)、中国工場の3つです。FY2025の12インチ再生ウェーハの出荷先は、台湾が55.0%、日本が32.0%、欧州が7.1%、米国が4.0%でした(決算説明資料)。

プライムウェーハ事業: GRITEKは上海証券取引所の科創板に上場しています(2022年11月上場)。2026年6月末時点の当社持分は39.1%(直接25.2%、間接13.9%)ですが、議決権の過半を持つため連結しています(決算説明資料)。主力は中国山東省の徳州工場で作る8インチのプライムウェーハで、パワー半導体向けが中心です。FY2025の事業売上の約62%がプライムウェーハ、約31%がエッチング装置の消耗部材向けのシリコン部材でした(決算説明資料)。12インチのプライムウェーハは持分法適用会社のSGRSが手がけており、顧客の認定取得を進めている段階です。

半導体関連装置・部材等: M&Aで取り込んだ事業の集まりです。主な事業は、DG Technologies(シリコン・石英の消耗部材)、ユニオンエレクトロニクスソリューション(商社)、LEシステム(バナジウムレドックスフロー電池=VRFB用の電解液)、艾索精密部件(惠州)有限公司(RSPDH、光学ピックアップ)です。FY2025の売上高が前期比+85.7%と増えたのは、2024年12月に連結したRSPDHが寄与したためです(決算短信)。

売上・利益・キャッシュフローの構造

売上高の推移(連結)単位: 百万円

実績・会社予想・会社目標を含みます(薄色・点線は実績以外)

注: 決算期は12月。FY2025は2025年12月期(2025年1〜12月)を指す。FY2022〜FY2025は決算短信の実績(百万円未満切り捨て)。FY2021は2026年12月期第2四半期決算説明資料の「M&A実績と売上高推移」に記載された実績値。FY2026は2026年8月13日時点の会社予想(期初予想から据え置き)、FY2027・FY2028は中期経営計画(2026〜2028年)の予算値。

出典: 株式会社RS Technologies 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2024年2月13日) (2026-10-17参照) / 株式会社RS Technologies 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月13日) (2026-10-17参照) / 株式会社RS Technologies 2026年12月期第2四半期 決算説明資料(2026年8月13日) (2026-10-17参照)

売上高はFY2021の34,620百万円からFY2025の76,707百万円へ、4年で約2.2倍になりました(実績)。年率に直すと+22.0%です(独自計算)。会社はこの成長を「積極的なM&Aを中心とした成長戦略」の成果と説明しています。一方、自前で育ててきたウェーハ再生事業も、FY2022の17,890百万円からFY2025の27,528百万円へ、年率+15.4%で伸びました(独自計算)。

営業利益と営業利益率(連結)単位: 百万円(営業利益率は%)

実績・会社予想・会社目標を含みます(薄色・点線は実績以外)

注: 営業利益率は営業利益÷売上高で算出し、小数第2位を四捨五入した。FY2022〜FY2025は決算短信記載の売上高営業利益率と一致する。FY2021の営業利益は決算説明資料記載の実績値で、利益率は本記事の計算値。FY2026は会社予想、FY2027・FY2028は中期経営計画の予算値で、利益率は資料記載の値と一致する。

出典: 株式会社RS Technologies 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2024年2月13日) (2026-10-17参照) / 株式会社RS Technologies 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月13日) (2026-10-17参照) / 株式会社RS Technologies 2026年12月期第2四半期 決算説明資料(2026年8月13日) (2026-10-17参照)

営業利益率はFY2022の26.1%をピークに下がり、FY2025は18.6%でした(実績)。各事業のセグメント利益率を見ると、低下の主な理由は事業の構成の変化です。

セグメント利益率(独自計算)FY2022FY2023FY2024FY2025FY2026上期
ウェーハ再生事業40.6%39.6%38.1%36.9%35.5%
プライムシリコンウェーハ製造販売事業26.3%20.0%23.2%19.9%23.3%
半導体関連装置・部材等8.1%6.3%5.4%5.3%3.0%

※セグメント利益÷セグメント売上高(セグメント間の内部売上を含む)で計算。会社資料でも、ウェーハ再生事業のFY2022・FY2023・FY2025の利益率は同じ値です(FY2024は会社資料で38.0%)。

利益率が5%前後の半導体関連装置・部材等が、FY2025に売上高の39.4%を占めるまで広がりました。そのため、連結の利益率が下がりました。FY2025の売上総利益率は30.7%で、前期の32.7%から下がっています。販売費及び一般管理費は、人件費や減価償却費の増加で前期比+48.3%増えました(決算短信、独自計算)。

セグメント利益(営業利益ベース)単位: 百万円

注: セグメント利益は営業利益ベース。FY2022・FY2023は千円単位の開示値の百万円未満を切り捨てた。全社費用などの調整額(FY2025は△1,664百万円)と「その他」は表示していない。

出典: 株式会社RS Technologies 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) セグメント情報(2024年2月13日) (2026-10-17参照) / 株式会社RS Technologies 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) セグメント情報(2026年2月13日) (2026-10-17参照)

ウェーハ再生事業の利益率も、FY2022の40.6%からFY2026上期の35.5%へ、少しずつ下がっています(独自計算)。会社はFY2026上期について、三本木工場の定期メンテナンス費用と、下期に稼働予定の第7工場の整備費用が利益率を押し下げたと説明しています(決算説明資料)。一時的な費用なのか、価格や稼働率の構造的な変化なのかは、下期の実績で確認が必要です。

営業利益と経常利益の差: 経常利益は営業利益より大きくなっています(FY2025の経常利益は16,635百万円)。受取利息(1,447百万円)と補助金収入(2,108百万円)が営業外収益に入るためです。補助金は、中国政府からGRITEKへの補助金です(決算説明資料)。一方、12インチのプライムウェーハを手がける持分法適用会社SGRSの損失(FY2025は1,082百万円)は、営業外費用に入っています(決算短信)。

営業CF・設備投資・簡易フリーCF(連結)単位: 百万円

実績・シナリオを含みます(薄色・点線は実績以外)。「推計」の注記は開示値そのものではなく当サイトの推計・計算による値です

注: 営業CFと有形固定資産の取得による支出は決算短信の実績値(FY2022・FY2023は千円単位の値の百万円未満を切り捨て)。簡易フリーCFは営業CFから有形固定資産の取得による支出を差し引いた本記事の計算値(独自計算)で、無形固定資産の取得、関係会社株式の取得(FY2025は8,143百万円)、定期預金の出し入れは含めていない。

出典: 株式会社RS Technologies 2023年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 連結キャッシュ・フロー計算書(2024年2月13日) (2026-10-17参照) / 株式会社RS Technologies 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結) 連結キャッシュ・フロー計算書(2026年2月13日) (2026-10-17参照)

営業CFはFY2022〜FY2025に13,143〜15,316百万円で推移しました(実績)。有形固定資産の取得による支出は、FY2024に8,900百万円、FY2025に7,406百万円と増えています。営業CFからこの支出を引いた簡易フリーCFは、FY2025に7,430百万円でした(独自計算)。FY2025は、このほかに関係会社株式の取得で8,143百万円を支出しました(決算短信)。

FY2025末の現金及び預金は96,771百万円、有利子負債(リース債務を含む)は23,440百万円でした(決算短信、決算説明資料)。差し引きのネットキャッシュは約73,331百万円です(独自計算。会社資料の「約733億円」と一致)。ただし、この現金の一部は、少数株主のいる中国子会社GRITEKのグループが持っています。この現金をすべて当社の株主のために使えるとは限らない点に注意が必要です。

ROIC・資本効率

ROICとROEの推移(会社開示)単位: %

注: いずれも会社が開示した値。会社の定義では、ROIC=NOPAT÷投下資本(自己資本+有利子負債の期首・期末平均)、ROE=親会社株主に帰属する当期純利益÷自己資本の期首・期末平均。ROEは決算短信の自己資本当期純利益率(FY2023は15.0%、FY2024は15.2%、FY2025は12.5%)と一致する。会社は中期経営計画(2026〜2028年)でROIC11%以上、ROE13%以上を目標とし、WACCを9.0%、株主資本コストを10.5%としている。

出典: 株式会社RS Technologies 2026年12月期第2四半期 決算説明資料「資本収益性と資本コスト(現状分析・評価)」(2026年8月13日) (2026-10-17参照) / 株式会社RS Technologies 2025年12月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026年2月13日) (2026-10-17参照)

会社が開示したROICは、FY2022の19.2%からFY2025の10.8%まで下がりました(会社開示)。ROEも20.5%から12.5%へ下がっています。会社はWACCを9.0%、株主資本コストを10.5%としています。FY2025のROICとWACCの差は1.8ポイントまで縮まりました(独自計算)。会社自身も、現在を「投資先行局面」と位置づけています。中期経営計画(2026〜2028年)では、ROIC11%以上、ROE13%以上を目標にしています(会社計画)。

資本効率を見るときは、連結の構造に注意が必要です。FY2025末の純資産153,331百万円のうち、非支配株主持分が73,116百万円を占めます。当社株主に帰属する自己資本は80,151百万円で、自己資本比率は39.1%です(実績)。GRITEKのグループの利益は全額が連結の営業利益に入ります。しかし、当期純利益の段階では、その多くが少数株主に帰属します。FY2025の当期純利益12,540百万円のうち、親会社株主に帰属したのは9,297百万円(74.1%)でした。FY2026上期は6,320百万円のうち4,149百万円(65.6%)です(独自計算)。営業利益の成長がそのまま1株当たり利益の成長にはならない構造です。

競争優位と競争環境

ウェーハ再生: 会社の推計によると、12インチ再生市場のシェアは同社が約31%で、世界首位です。その次が台湾の3社と、日本の2社(会社資料ではA社・B社)です(会社推計)。会社は強みとして次の3点を挙げています(決算説明資料)。

  1. すべての顧客と直接取引する体制
  2. 薬品処理ですべての膜をはがせるため、表面のダメージが少なく、再生できる回数が多いこと
  3. 金属不純物、特に銅の除去に強いこと

再生ウェーハは、顧客工場の品質基準に合わせた認定が必要です。そのため、いったん採用されると取引が続きやすい性格があると考えられます(独自の見方)。高い利益率が続いてきたことは、この見方と整合しています。一方、顧客別の売上や契約条件は開示されていないため、交渉力の強さは直接確認できません。

プライムウェーハ: シリコンウェーハの世界市場は信越化学工業やSUMCOなどの大手が中心です。GRITEKは中国国内の8インチのパワー半導体向けという、限られた分野を狙っています。会社は、中国国内の8インチ市場でGRITEKのシェアを18%(2025〜2026年)と推計しています。目標は、2027年以降に20%、12インチ市場で7%です(会社推計・会社計画)。会社は、8インチの規格品で単価が下がる傾向にあることも認めています(決算説明資料)。

半導体関連装置・部材等: 中古装置の販売、商社機能、光学部品など、性格の違う事業の集まりです。利益率はFY2025に5.3%で、競争優位は限られていると見られます(独自の見方)。会社は2026年10月、光学ピックアップ事業から撤退し、車載カメラモジュール事業への参入も中止すると発表しました。理由として、市場の縮小と価格競争の激化を挙げています(2026年10月9日開示)。

成長ドライバーと市場規模

12インチ再生ウェーハの生産能力計画(拠点別)単位: 万枚/月

実績・会社予想・会社目標を含みます(薄色・点線は実績以外)

注: 月産の生産能力。合計は2025年69万枚、2026年76万枚、2027年94万枚、2028年119万枚。2025年は会社資料の起点の値で、2026年以降は会社計画。三本木工場は第7・第8工場、台南工場は第1・第2工場の合計。

出典: 株式会社RS Technologies 2026年12月期第2四半期 決算説明資料「再生ウェーハへの大規模投資」「設備投資計画:ウェーハ再生事業」(2026年8月13日) (2026-10-17参照)

再生ウェーハの増産: 中期経営計画の柱は、ウェーハ再生事業への大規模な投資です。再生ウェーハの月産能力を、2025年の69万枚から2028年に119万枚へ増やす計画です(会社計画)。投資額は、日本(三本木第7・第8工場)が173億円以上、台湾(台南第2工場)が247億円、中国が100億円です(会社計画)。会社は、中国・欧州・米国・日本などで12インチの半導体工場の新設が進んでいることを、需要の根拠に挙げています(会社調べ)。

ただし、生産能力が増えても、それに見合う出荷が続くかは別の問題です。2028年の生産能力は2025年の約1.72倍です(独自計算)。この能力を埋めるには、シェアを広げるか、新しい工場の需要を取り込む必要があります。稼働率や再生単価の推移は開示されていないため、能力の拡大がどれだけ売上につながるかは、四半期ごとの再生事業の売上で確認していく必要があります。

プライムウェーハ: 8インチは2026年中に月産30万枚の体制を作り、2027年以降の投資は需要を見て判断する方針です。12インチは、持分法適用会社のSGRSが2028年中に月産25万枚の体制を作る計画です(会社計画)。2026年7月には、GRITEKがエピタキシャルウェーハを手がける安徽晶隆半導体科技有限公司の持分60%を、約10,758百万円(450百万人民元)で取得しました(中間決算短信の後発事象)。

中国プライムウェーハ事業の再編: 2026年9月11日、GRITEKは12インチのSGRSと8インチの山東GRITEKを完全子会社にする方針を決めました。完了は2027年中の予定です(会社開示、報道)。対価には株式交換と現金を組み合わせ、新株も発行します。再編後もGRITEKは当社の連結子会社のままです。ただし、GRITEKに対する当社の持分比率は変わる見込みです(報道によると取得価格は未確定)。

エネルギー事業: LEシステムを通じて、VRFB用の電解液の製造販売を進めています。中国の攀枝花工場で、2027年中に年3万立方メートル、2028年中に年6万立方メートルの生産能力を計画しています(会社計画)。現時点では売上の規模は小さく、セグメントの中で個別の業績は開示されていません。

経営者・資本政策

代表取締役社長は方永義氏です(決算短信)。会社の成長はM&Aに大きく依存しており、その判断は経営陣の力量に左右されます。会社はM&Aの投資基準として、利回り14〜20%程度のハードルレートを示しています(決算説明資料)。2026年7月には江西盛泰精密光学への出資協議を終えました。会社は、車載カメラモジュール分野で検討した複数のM&Aが「当社の投資基準を満たすには至らず」投資を見送ったと説明しています(2026年10月9日開示)。投資規律が働いた例と見ることもできます。一方で、RSPDHは2024年12月の連結から約2年で解散することになりました。M&Aの選別の精度には、検証の余地が残ります。

2026〜2028年のキャッシュ配分計画は次のとおりです(会社計画)。

配当は、FY2024の35円からFY2025に45円へ増え、FY2026は55円を予定しています(会社予想)。会社予想ベースの配当性向は14.6%です。会社は総還元性向の引き上げを意識するとしていますが、現在の還元水準は利益に比べて低めです。

2026年2月には、GRITEK株式12,500,000株(発行済株式の1%)を3,466百万円で売却しました(決算短信の後発事象)。

将来シナリオ(条件付き)

FY2026の会社予想は、売上高84,000百万円、営業利益15,400百万円です。上期の実績は売上高40,595百万円、営業利益7,735百万円でした(実績)。会社予想から逆算すると、下期は売上高43,405百万円、営業利益7,665百万円、営業利益率17.7%が必要です(独自計算)。上期の営業利益率は19.1%でした(独自計算)。

現在の市場評価との比較

株価は5,430円(2026年10月16日)、時価総額は約144,425百万円です(Yahoo!ファイナンス)。

2026年の株価は、2月17日に年初来安値3,415円、7月8日に年初来高値8,650円をつけ、10月16日は5,430円でした(Yahoo!ファイナンス)。年内の値幅は大きく、市場の期待が大きく揺れていることがうかがえます。

この評価を読み解くうえでの論点は次の3つです。

  1. ウェーハ再生事業の高い利益率と生産能力の拡大が、どの程度評価に織り込まれているか
  2. 連結利益に占める少数株主の取り分(FY2026上期は約34%、独自計算)が、PERの解釈を難しくしている点
  3. 連結の現金の一部がGRITEKのグループにある点

PERの分母(EPS)は少数株主の取り分を差し引いた後の利益です。一方、会社が示すネットキャッシュ約733億円には、少数株主に帰属する部分も含まれます。そのため、時価総額とネットキャッシュを単純に比べることはできません。

主要リスクと反証条件

主要リスク

  1. 中国事業のリスク: プライムウェーハ事業はすべて中国にあり、中国の国有系企業との合弁です。米中対立による規制、中国政府の補助金(FY2025は2,108百万円)の継続性、人民元の為替変動の影響を受けます。
  2. 再編による持分の変化: GRITEKの再編(2027年完了予定)の取得価格と、当社の持分比率の変化はまだ分かりません。
  3. ウェーハ再生の利益率の低下: 利益率はFY2023から3期連続で下がり、FY2026上期も35.5%でした(独自計算)。台湾の競合との価格競争や、新工場の立ち上げ費用が続いた場合、低下が続くおそれがあります。
  4. M&Aの実行リスク: 中期経営計画は「新規のM&Aを含めた成長」を前提にしています。RSPDHの解散のように、買収した事業から短期間で撤退する例が出ています。RSPDHの解散に伴う特別損失の金額は精査中です(2026年10月9日開示)。
  5. 地域の集中: FY2025の12インチ再生ウェーハの出荷の55.0%が台湾向けです(会社資料)。顧客別の比率は開示されていません。

反証条件(この分析の前提が崩れるサイン)

出典