株式会社カナミックネットワーク(3939)
この記事の要点
- 中核の医療・介護クラウドプラットフォーム事業は、セグメント利益率41.7%(FY2025、独自計算)の高収益事業です。一方、M&Aで取り込んだフィットネスジムと受託開発が売上の約3分の1を占め、連結の営業利益率は29.2%にとどまります。
- 主力「カナミッククラウドサービス」の売上成長率は、FY2025の+5.1%から2026年9月期第3四半期累計の+10.4%に加速し、連結の営業利益率も32.5%に上がりました(実績・独自計算)。
- 今後の焦点は、2026年9月期に始めたAI機能の課金が単価を押し上げるかと、M&Aを成長の柱とする長期ビジョンのもとで利益率を保てるかです。
テーマ「医療・介護の現場DXを担うSaaS企業」の中心企業です。
この記事の財務数値は、すべて連結・日本基準です。決算期は9月で、「FY2025」は2025年9月期(2024年10月〜2025年9月)を指します。金額は決算短信の百万円表示(百万円未満切り捨て)に従います。文中では 実績(開示された過去の数値)、会社予想・会社計画(会社が公表した見通し)、独自計算・独自推計(本記事が開示数値から計算した値)を区別して書きます。分析日(2026年10月17日)時点で、2026年9月期の通期決算はまだ公表されていません。そのため、最新の実績は第3四半期累計(2025年10月〜2026年6月)です。
要点の詳細
- 事業の質: 中核は、医療・介護の多職種が情報を共有するクラウド「カナミッククラウドサービス」です。このサービスを含む医療・介護クラウドプラットフォーム事業のセグメント利益率は41.7%でした(FY2025、独自計算)。自己資本比率は72.2%(2026年6月末、実績)、営業CFは5期続けて当期純利益を上回っています。
- 成長余地: クラウドサービスの導入地域は1,420地域(全国の総地域数4,095)で、会社表示の割合は34.6%です(2026年9月期第2四半期決算説明資料、会社開示)。「地域」は厚生労働省が地域包括ケアで想定する人口3万人程度の「中学校区」を単位としており、自治体(市区町村)の数ではありません。決算説明会の書き起こしでは「自治体の34.6%」と表現されていますが、本記事では決算説明資料の注記の定義を正としています。長期ビジョン「Kanamic Vision 2035」では、2035年9月期に売上高200億〜300億円、営業利益80億〜120億円を掲げています(会社計画)。FY2025の売上高55億円と比べると、年約14〜18.5%の成長が前提です(独自計算)。
- 市場評価: 株価503円(2026年10月16日終値)は、会社予想EPSに対してPER約17.4倍、2026年6月末の純資産に対してPBR約4.4倍にあたります(独自計算)。
- リスク: 連結の営業利益率は、FY2021の40.4%からFY2023に29.3%まで下がりました。利益率の低いフィットネスジム事業などをM&Aで取り込んだためです。今後もM&Aを成長の柱に置いており、買収次第で利益率と資本効率が再び下がる可能性があります。主力クラウドサービスの売上成長率は、FY2025に前期比+5.1%まで鈍化しました。
- 確認できた事実: 主力クラウドの高い収益性は、セグメント開示から確認できます(セグメント利益率FY2024 40.6%、FY2025 41.7%、独自計算)。
- 未検証の仮説: AI機能の課金による単価上昇と、Vision 2035の売上目標の達成可能性。AI機能の価格・課金ユーザー数・関連売上が開示されておらず、Vision 2035ではオーガニック成長とM&Aの配分が示されていません。
- 次の決算で確認する事項: 2026年9月期通期の実績(会社予想達成には第4四半期に売上高1,723百万円・営業利益546百万円が必要、独自計算)、カナミッククラウドサービスの通期成長率(第3四半期累計+10.4%)、AI関連の数値の開示、ソリューション開発事業の損益。
事業概要・ビジネスモデル
カナミックネットワークは、東証プライム市場に上場しています(2016年上場)。セグメントは次の3つです。
- 医療・介護クラウドプラットフォーム事業(FY2025外部売上高3,582百万円、構成比65.1%): 中核は「カナミッククラウドサービス」です。介護保険制度が始まった2000年から提供しています。介護請求・業務管理システムに、医師・看護師・ケアマネジャー・介護士などの多職種が連携する機能を組み合わせています。自治体と組む地域連携(例: 東京都の「東京都多職種連携ポータルサイト」)にも力を入れています。サービスは次の3つに分かれます。
- カナミッククラウドサービス: FY2025の売上高は2,997百万円(前期比+5.1%)。会社はストック型のビジネスだと説明しています。
- プラットフォームサービス: 同474百万円(+11.9%)。介護事業者のホームページ制作、広告、人材マッチングなどです。
- その他サービス: 同111百万円(+26.8%)。大口顧客向けのカスタマイズ開発などです。
- 健康寿命延伸事業(同1,187百万円、構成比21.6%): 子会社の株式会社アーバンフィットが、24時間営業のフィットネスジム「URBAN FIT24」の直営とフランチャイズを運営しています。2022年に子会社化しました(2022年6月30日みなし取得)。店舗数は27店舗です(2026年9月期第2四半期の決算説明会での会社説明)。
- ソリューション開発事業(同730百万円、構成比13.3%): Ruby言語によるWebサービス開発の株式会社Ruby開発(2023年8月取得)と、シンガポールでバックエンドシステムの導入支援を行うTHE WORLD MANAGEMENT PTE LTD(2024年11月取得)で構成されます。
注: 決算短信のセグメント情報(千円表示)を百万円未満切り捨てで表示。セグメント間の内部売上高を除く外部顧客への売上高。FY2024の報告セグメント区分はFY2025決算短信に記載された前期分を使用した。
出典: 株式会社カナミックネットワーク 2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結) セグメント情報 (2026-10-17参照)
クラウドの利用者数について、会社は2026年3月時点で有料ユーザーID 24万7,000、無料ユーザー12万9,000と説明しています。FY2025の決算説明時点では、有料22万、無料11万7,000でした。導入事業所数は5万2,000超です(FY2025決算説明時点)。会社は、無料ユーザーを将来の有料化(他社システムからの乗り換え)の候補と位置づけています。
AIについては「AI100-Vision」として、介護帳票の作成支援などのAI機能を順次リリースしています。会社の説明では、AI機能はFY2025まで無償で提供し、FY2026から課金を始めました。価格・導入数・AI関連売上の金額は、分析日時点で開示されていません。
売上・利益・キャッシュフローの構造
実績・会社予想・会社目標を含みます(薄色・点線は実績以外)
注: 連結・日本基準。決算期は9月(FY2025=2025年9月期)。百万円未満切り捨て。FY2026は2025年11月13日公表の会社予想で、2026年8月10日の第3四半期決算短信時点でも修正なし。FY2023の大幅増収には、2022年6月末みなし取得の株式会社アーバンフィット(フィットネスジム)の通年寄与と、2023年8月末みなし取得の株式会社Ruby開発の連結開始が含まれる。FY2025には2024年11月取得のTHE WORLD MANAGEMENT PTE LTDの連結開始が含まれる。
出典: 株式会社カナミックネットワーク 2022年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 株式会社カナミックネットワーク 2024年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 株式会社カナミックネットワーク 2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 株式会社カナミックネットワーク 2026年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照)
売上高は、FY2021の2,080百万円からFY2025の5,500百万円に増えました(実績)。4年間の年平均成長率は約27.5%です(独自計算)。ただし、これにはM&Aによる増加が含まれます。特にFY2023の+49.7%は、アーバンフィットの通年寄与が主な要因です。FY2026の会社予想は6,350百万円(前期比+15.4%)で、2026年8月10日の第3四半期決算短信でも修正されていません。
実績・会社予想・会社目標を含みます(薄色・点線は実績以外)
注: 営業利益率は、決算短信の百万円表示(百万円未満切り捨て)の営業利益÷売上高で算出し、小数第2位を四捨五入した。会社開示の売上高営業利益率はFY2021が40.5%、FY2022が38.5%で、本グラフとは0.1pt異なる(会社は千円単位で計算)。FY2026は会社予想(売上高6,350百万円、営業利益2,050百万円)から算出。
出典: 株式会社カナミックネットワーク 2022年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 株式会社カナミックネットワーク 2024年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 株式会社カナミックネットワーク 2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 株式会社カナミックネットワーク 2026年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照)
営業利益は、FY2021の841百万円からFY2025の1,606百万円に増えました(実績)。営業利益率は、FY2021の40.4%から、FY2023に29.3%へ下がりました。その後は28.7%(FY2024)、29.2%(FY2025)と、29%前後で推移しています。グラフの営業利益率は、百万円表示の営業利益を売上高で割った値です。会社は千円単位で計算しているため、FY2021(会社開示40.5%)とFY2022(同38.5%)では0.1ptの差があります。FY2026の会社予想は営業利益2,050百万円、営業利益率32.3%です。
利益率の水準は、セグメントの構成で決まります(独自計算。セグメント利益÷内部売上高を含むセグメント売上高)。
| セグメント | FY2024 セグメント利益(百万円) | 利益率 | FY2025 セグメント利益(百万円) | 利益率 |
|---|---|---|---|---|
| 医療・介護クラウドプラットフォーム | 1,369 | 40.6% | 1,499 | 41.7% |
| 健康寿命延伸 | 66 | 5.8% | 156 | 13.2% |
| ソリューション開発 | 46 | 8.8% | 77 | 9.8% |
主力のクラウドは40%台の利益率を保っています。一方、ジムと受託開発は利益率が1桁〜10%台です。M&Aで売上を増やした分だけ、連結の利益率が下がったと解釈できます。FY2025には、ジム事業の利益が前期比137.4%増えるなど、買収した事業の利益率も改善しています。
2026年9月期 第3四半期累計(実績): 売上高4,627百万円(前年同期比+15.2%)、営業利益1,504百万円(同+29.5%)でした。営業利益率は32.5%で、前年同期の28.9%から上昇しています(独自計算)。セグメント別の動きは次のとおりです。
- 医療・介護クラウドプラットフォーム: 外部売上高3,070百万円(+15.7%)、セグメント利益1,414百万円(+27.8%)。このうちカナミッククラウドサービスの売上高は2,463百万円(+10.4%)で、FY2025通期の+5.1%から伸びが加速しました。
- 健康寿命延伸: 売上高1,050百万円(+26.2%)、セグメント利益166百万円(+85.6%)。
- ソリューション開発: 売上高506百万円(−4.6%)、セグメント損失2百万円(前年同期は62百万円の利益)。会社は、一部案件でコストが先行したと説明しています。
通期予想に対する進捗率は、売上高72.9%、営業利益73.4%です(独自計算)。前年同期(FY2025第3四半期累計の通期実績に対する比率)は売上高73.0%、営業利益72.4%で、ほぼ同じ水準です。会社予想を達成するには、第4四半期(2026年7〜9月)に売上高1,723百万円(前年同期比+16.2%)、営業利益546百万円(同+23.0%)が必要になります(独自計算)。
注: 連結。百万円未満切り捨て。投資CFはマイナスが支出。FY2025の投資CFには連結範囲の変更を伴う子会社株式(THE WORLD MANAGEMENT PTE LTD)の取得による支出355百万円が含まれる。
出典: 株式会社カナミックネットワーク 2022年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 株式会社カナミックネットワーク 2024年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 株式会社カナミックネットワーク 2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結) (2026-10-17参照) / 株式会社カナミックネットワーク 有価証券報告書 第24期(2024年9月期) 主要な経営指標等の推移 (2026-10-17参照)
営業CFは5期続けて当期純利益を上回っています(実績)。FY2025は営業CF 1,292百万円、当期純利益1,111百万円でした。投資CFは△743百万円で、そのうち355百万円がTHE WORLD MANAGEMENTの取得による支出です。営業CFと投資CFを足した簡易的なフリーCFは、FY2025で549百万円です(独自計算)。M&Aとジムの出店で、投資CFは年によって大きく変わります。
ROIC・資本効率
会社が開示するROE(自己資本当期純利益率)は、FY2025で26.2%でした(FY2024も26.2%)。2026年6月末の現金及び預金は4,095百万円で、借入金は合計374百万円(1年内返済予定を含む)です。実質的には無借金の状態です。
ROIC(独自推計): 会社はROICを開示していません。そこで、次の前提で概算しました。
- NOPAT = 営業利益1,606百万円 ×(1 − 実効税率31.1%)≒ 1,107百万円
- 実効税率は、FY2025の法人税等合計501百万円 ÷ 税金等調整前当期純利益1,612百万円で計算しました。
- 事業投下資本 = 純資産4,649百万円 + 有利子負債657百万円(借入金・社債・リース債務) − 現金及び預金3,327百万円 ≒ 1,979百万円(FY2025末)
この前提だと、ROICは約56%です。のれん(FY2025末793百万円)を投下資本に含めても、高い水準です。現預金を差し引かずに(純資産+有利子負債)で割ると、約21%になります。事業そのものの資本効率は高く、資本効率を押し下げているのは厚い手元資金です。会社はVision 2035で、10年間の累計純利益の約7割(265億〜420億円)を成長投資とM&Aに充てる方針を示しています。今後の資本効率は、M&Aの規模と価格に左右されます。
競争優位と競争環境
会社の有価証券報告書は、主な強みとして次の2点を挙げています。
- 介護保険制度が始まった2000年から提供してきた実績
- 自治体・医療・看護・介護をまたぐ多職種連携の機能
導入地域が1,420地域(人口3万人程度の中学校区単位、会社開示)に広がっていることは、地域単位で連携のネットワークができていることを示します。連携ネットワークは、参加する事業所が増えるほど価値が高まります。そのため、乗り換えを抑える方向に働くと考えられます(独自の解釈)。会社は、制度改正で処遇改善加算の対象が広がり、その算定要件である「ケアプランデータ連携」への対応が求められたことを、無料ユーザーが増えた理由として挙げています。
一方、有価証券報告書は、介護・医療分野のクラウドサービスには競合企業が複数存在し、新規参入も増える可能性があるとしています。2025年11月の決算説明会では、介護ソフト事業者の撤退が出ていて、今後1〜2年で乗り換え需要が増えるとの見方が示されました(会社の見方)。ただし、競合の個社名や市場シェアは、会社の開示からは確認できませんでした。
成長ドライバーと市場規模
会社が挙げる成長ドライバーは、次の4つです。
- 有料ユーザーの増加とAI課金: 有料ユーザーIDは22万(FY2025決算説明時点)から24万7,000(2026年3月時点)に増えました(会社説明)。FY2026から始めたAI機能の課金が、ユーザー当たり単価を押し上げるかどうかが焦点です。
- 制度改正への対応: 介護保険法・介護報酬は、原則3年に1度見直されます。改定のたびにシステムの改修需要が生まれます。対応に遅れた他社からの乗り換えを取り込む余地があります。
- URBAN FIT24の出店: 直営とフランチャイズで出店を続けています。会社は、リアル店舗を健康データ事業の基盤と位置づけています。
- M&Aと海外展開: 会社は、ヘルスケア、保険サービス、ITサービス、リアル店舗の4領域でM&Aを探していると説明しています。また、総務省の実証事業(シンガポールでの医療・介護・健康情報共有システムの展開)を2026年3月に完了しました。
会社は市場規模の数値を開示していません。有価証券報告書では、75歳以上人口の増加などにより医療・介護分野の社会保障給付費が増え、関連するシステム市場も拡大が続くとの見方を示しています(会社の見方)。
経営者・資本政策
代表取締役社長は山本拓真氏です。創業者の山本稔氏が取締役会長を務めています。有価証券報告書(2024年9月期)では、山本稔氏への依存を事業リスクの1つとして挙げています。同報告書の時点で、取締役9名のうち4名が山本姓の取締役(会長・副会長・社長・副社長)で、社外取締役は3名でした。
大株主(2024年9月30日時点、有価証券報告書)は、株式会社SHO(28.82%)、山本拓真氏(14.09%)、山本洋子氏(2.96%)、山本稔氏(1.90%)、山本景士氏(1.53%)などです。山本姓の4名の個人保有を合計すると20.48%になります(独自計算)。
株主還元の方針は、配当性向30%以上と、毎年の増配です(会社方針)。年間配当は、FY2023が5.50円、FY2024が6.50円、FY2025が7.50円で、FY2026の予想は9.00円です(予想配当性向31.2%)。このほか、抽選によるJCBギフトカードの贈呈と、URBAN FIT24の利用券を株主優待として提供しています。
Vision 2035(会社計画)の主な数値は次のとおりです。
| 項目 | 2035年9月期の目標 |
|---|---|
| 売上高 | 200億〜300億円 |
| 営業利益 | 80億〜120億円 |
| 営業利益率 | 40% |
| 10年間の累計株主還元 | 115億〜180億円 |
| 10年間の累計成長投資・M&A | 265億〜420億円 |
将来シナリオ(条件付き)
以下は、本記事が会社開示から組み立てた条件付きの見方です。会社予想・会社計画とは別のものです。
- AI課金と有料ユーザーの増加が続いた場合: 第3四半期累計で見られたカナミッククラウドサービスの2桁成長(+10.4%)が続くことになります。高利益率のクラウドの比率が上がれば、連結の営業利益率は、FY2026会社予想の32.3%からさらに上がる余地があります。Vision 2035の利益率40%は、この延長線上にあります。
- M&Aで低利益率の事業を大きく取り込んだ場合: FY2023と同じように、売上高は大きく伸びても、連結の営業利益率とROICは下がる可能性があります。のれんの償却と減損のリスクも増えます。
- 主力クラウドの成長がFY2025並み(+5%前後)に戻った場合: Vision 2035の売上目標(年約14〜18.5%成長)には、M&Aによる上積みが大きく必要になります。オーガニック成長だけでは届かない計算になります。
現在の市場評価との比較
2026年10月16日の終値は503円でした(株探)。自己株式を除く発行済株式数47,457,294株で計算すると、時価総額は約238.7億円です(独自計算)。
| 指標(独自計算) | 値 | 前提 |
|---|---|---|
| PER | 約17.4倍 | FY2026会社予想EPS 28.87円 |
| PBR | 約4.4倍 | 2026年6月末の純資産5,365百万円 |
| 配当利回り | 約1.8% | FY2026予想配当9.00円 |
| EV/営業利益 | 約9.9倍 | 2026年6月末のネットキャッシュ約3,637百万円、FY2026会社予想営業利益2,050百万円 |
ネットキャッシュは、2026年6月末の現金及び預金4,095百万円から、借入金374百万円とリース債務83百万円を差し引いた値です。
この評価は、FY2026会社予想の営業利益の伸び(+27.6%)や、Vision 2035の年約14〜18.5%成長と並べて読む必要があります。現在の株価が前提にしている成長率を逆算するには、割引率などの仮定が必要です。本記事では、その推計は行っていません。
主要リスクと反証条件
| リスク | 内容 | 反証条件(この見方を見直すサイン) |
|---|---|---|
| 主力クラウドの成長鈍化 | FY2025のカナミッククラウドサービスの売上成長率は+5.1%でした | 四半期ベースで再び1桁前半の伸びに戻る |
| AI課金の不発 | AI機能の価格・導入数が開示されておらず、効果を検証できません | FY2026以降、クラウド売上の伸びが加速しない、またはAI関連の数値の開示が続かない |
| M&Aによる利益率・資本効率の低下 | Vision 2035では、累計265億〜420億円の成長投資・M&Aを想定しています | 大型買収の後に営業利益率が30%を下回り、のれんの減損が出る |
| 制度改正 | 介護報酬改定による顧客の経営悪化や、システム対応の負担があります | 改定後に解約や他社への乗り換えが増える |
| ガバナンス | 創業家の保有比率が高く、取締役会にも創業家が多くいます | 少数株主に不利な資本取引や関連当事者取引が出る |
| ソリューション開発事業 | 第3四半期累計でセグメント損失に転じました | 通期でも赤字が続き、のれんの減損につながる |
| 情報セキュリティ | 多数の要介護者・患者の個人情報を扱っています | 重大な情報漏えいやシステム障害が起きる |
出典
- 株式会社カナミックネットワーク 2022年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-17参照)
- 株式会社カナミックネットワーク 2023年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-17参照)
- 株式会社カナミックネットワーク 2024年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-17参照)
- 株式会社カナミックネットワーク 2025年9月期 決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-17参照)
- 株式会社カナミックネットワーク 2026年9月期 第2四半期(中間期)決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-17参照)
- 株式会社カナミックネットワーク 2026年9月期 第2四半期決算説明資料 p.12「1-7. クラウドサービス導入地域数の推移」(2026-10-17参照)
- 株式会社カナミックネットワーク 2026年9月期 第3四半期決算短信〔日本基準〕(連結)(2026-10-17参照)
- 株式会社カナミックネットワーク 有価証券報告書 第24期(2024年9月期)(2026-10-17参照)
- ログミーファイナンス「カナミックネットワーク、上場来の最高売上高・最高利益を更新」(2025年9月期決算説明会の書き起こし)(2026-10-17参照)
- ログミーファイナンス「カナミックネットワーク(3939)、大幅な増収増益を達成、半期営業利益は初の10億円突破」(2026年9月期第2四半期決算説明会の書き起こし)(2026-10-17参照)
- 株探 カナミックネットワーク【3939】株価時系列(日足)(2026-10-17参照)